Webアクセシビリティ義務化の動き|2027年に向けて準備すべきこと

Webアクセシビリティの法的義務化の動向と、今から準備すべき対応ポイントを解説します。

#アクセシビリティ#法律#義務化#Web制作
Webアクセシビリティ義務化の動き|2027年に向けて準備すべきこと

Webアクセシビリティとは?なぜ今注目されているのか

Webアクセシビリティとは、年齢や障がいの有無に関係なく、すべての人がWebサイトの情報にアクセスし、利用できるようにすることを指します。視覚障がいのある方がスクリーンリーダーでサイトを読み上げたり、マウスが使えない方がキーボードだけで操作したりするケースを想像するとわかりやすいでしょう。

近年、このWebアクセシビリティが法的にも大きな注目を集めています。2024年4月に施行された改正障害者差別解消法では、民間事業者にも「合理的配慮の提供」が義務化されました。これはWebサイトも例外ではなく、ホームページやECサイトを運営する企業・個人事業主にとって、アクセシビリティ対応は「あったら良いもの」から「必須の取り組み」へと変化しつつあります。

また、海外ではすでにアクセシビリティ未対応のWebサイトに対する訴訟が急増しています。アメリカでは年間数千件のADA(アメリカ障がい者法)関連訴訟が提起されており、EU圏でも欧州アクセシビリティ法(EAA)が2025年に施行されました。日本においても、この流れを受けて今後さらに厳格化が進むと予想されます。

2027年に向けたアクセシビリティ義務化の最新動向

日本におけるWebアクセシビリティの法整備は、段階的に進んでいます。現行の障害者差別解消法では、合理的配慮の提供が求められていますが、具体的な技術基準までは明示されていません。しかし、JIS X 8341-3:2016(Webコンテンツのアクセシビリティに関するガイドライン)への準拠が事実上の標準として認識されつつあります。

公的機関のWebサイトでは、すでにJIS X 8341-3への適合が求められており、民間企業への拡大も時間の問題と見られています。デジタル庁が推進する「デジタル社会の形成」においても、アクセシビリティは重要な柱として位置づけられています。

2027年に向けて予想される動きとしては、まず公共調達におけるアクセシビリティ要件の厳格化があります。自治体や官公庁の委託案件でWebサイトを制作する場合、WCAG 2.1レベルAAへの適合が必須条件になるケースが増えるでしょう。さらに、民間企業においても、大企業を皮切りに適合レベルの明示が求められる流れが加速しています。

中小企業や個人事業主にとっても、この流れは無縁ではありません。取引先の大企業がサプライチェーン全体でアクセシビリティ対応を求めるケースが増えてきており、対応の遅れがビジネス機会の損失につながりかねません。

今から始められるアクセシビリティ対応の具体的なポイント

「アクセシビリティ対応」と聞くと大掛かりな改修を想像されるかもしれませんが、実はすぐに取り組めることも多くあります。以下に、優先度の高い対応ポイントを紹介します。

画像の代替テキスト(alt属性)の設定は、最も基本的かつ重要な対応です。すべての画像にalt属性を設定し、画像の内容を簡潔に説明するテキストを記述しましょう。装飾目的の画像にはalt=""(空のalt属性)を設定することで、スクリーンリーダーが読み飛ばすようになります。画像SEOの観点からも有効な施策ですので、画像SEOの基本も併せてご参照ください。

適切な見出し構造の設計も欠かせません。h1からh6まで、階層を飛ばさずに正しい順序で使用することで、スクリーンリーダーのユーザーがページの構造を把握しやすくなります。見た目のサイズを変えたいだけで見出しタグを使うのは避けましょう。

十分なコントラスト比の確保は、視覚に課題を持つ方だけでなく、屋外でスマホを使う際にも重要です。WCAG 2.1では、通常テキストで4.5:1以上、大きなテキストで3:1以上のコントラスト比が求められています。無料のコントラストチェッカーツールを使えば、簡単に確認できます。

キーボード操作への対応も忘れてはなりません。Tabキーでの移動、Enterキーでの決定など、マウスを使わなくてもすべての機能が利用できるかを確認しましょう。特にナビゲーションメニューやフォームは重点的にチェックが必要です。

フォームのラベル設定は、問い合わせフォームや入力フォームの各項目にlabel要素を正しく関連づけることです。これにより、スクリーンリーダーのユーザーが各入力欄の目的を理解できるようになります。フォームのセキュリティ対策と合わせて対応すると効率的です。

アクセシビリティ対応のチェック方法とおすすめツール

自社サイトのアクセシビリティ状況を把握するには、まず自動チェックツールを活用するのが効率的です。

Lighthouseは、Google Chromeに内蔵されているツールで、アクセシビリティのスコアを100点満点で評価してくれます。DevToolsから簡単に実行でき、改善が必要な項目を具体的に指摘してくれるため、最初のチェックに最適です。

**WAVE(Web Accessibility Evaluation Tool)**は、ブラウザの拡張機能として利用でき、ページ上のアクセシビリティの問題を視覚的に表示してくれます。エラーだけでなく、警告や構造上の情報も確認できるため、詳細な分析に向いています。

axe DevToolsは、もう少し専門的なチェックをしたい場合におすすめです。Chrome拡張として提供されており、WCAG 2.1の適合状況を詳細にレポートしてくれます。

ただし、自動チェックツールだけでは全体の約30〜40%の問題しか検出できないと言われています。実際にキーボードだけで操作してみる、スクリーンリーダーで読み上げてみるなどの手動チェックも組み合わせることが重要です。

アクセシビリティ対応がもたらすビジネス上のメリット

アクセシビリティ対応は法的リスクの回避だけでなく、ビジネス面でも多くのメリットがあります。

まず、ユーザー層の拡大です。日本には何らかの障がいを持つ方が約960万人いるとされており、高齢者を含めるとさらに大きなマーケットとなります。アクセシビリティ対応によって、これらの方々にもサービスを届けることができます。

次に、SEO効果の向上です。適切な見出し構造、代替テキスト、セマンティックなHTMLなど、アクセシビリティの多くの要件はSEOのベストプラクティスと重なります。アクセシビリティ対応がそのまま検索エンジンからの評価向上につながるのです。

さらに、ブランドイメージの向上も見逃せません。アクセシビリティに配慮した企業は、社会的責任を果たす企業として評価され、顧客からの信頼度が高まります。採用面でも「多様性を尊重する企業」としてアピールできるでしょう。

まとめ

Webアクセシビリティの義務化は、2027年に向けてますます加速する流れにあります。今のうちから段階的に対応を進めることで、法的リスクを回避しつつ、ユーザー層の拡大やSEO効果の向上といったビジネスメリットも享受できます。

まずは自社サイトの現状をLighthouseなどのツールでチェックし、画像のalt属性や見出し構造といった基本的な項目から改善を始めてみてください。完璧を目指す必要はありません。少しずつでも対応を進めることが、すべてのユーザーにとって使いやすいWebサイトづくりの第一歩です。

アクセシビリティ対応を含むWebサイトの改善や新規制作について、何から手をつけるべきかお悩みの方は、ぜひSane Designにご相談ください。御社のサイトに合った具体的な改善プランをご提案いたします。

お問い合わせイラスト

まずは気軽にご相談ください

知識がなくても大丈夫です!
「何も分からない」状態でご相談いただけましたら、
こちらから様々な提案をさせていただきます。

しつこい営業は一切しません。お気軽にどうぞ。

実績 無料で相談する